ルワンダからの学生レポート
6月
みなさんこんにちは!ルワンダ生活8カ月目、今月から現地NGOでインターンを始め、毎日新しい発見があります。インターン先は私以外全員ルワンダ人で、スタッフの方とは英語でコミュニケーションを取りますが、フィールドに出た時に英語を話さない受益者の方たちとも話せるようにとルワンダの公用語(キニアルワンダ語)を教えてくれます。これまで挨拶しかできなかったので、ほんの少し他のことも話せるようになって嬉しいです!
私が住んでいる場所では6月に1回も雨が降っておらず、生まれて初めて乾季を体験しています。日差しは強いですが、湿度は全く高くないので、日本の夏とは比べものにならないくらい過ごしやすいです。雨が降らないため一部の野菜の値段が少し上がっているのが、乾季の残念なところです、、、
インターン
私がインターンをしているのは、AMU(Association Mwana Ukundwa)というルワンダの現地NGOである。Mwanaは子ども、Ukundwaは愛という意味だ。AMUは1994年の大虐殺によって生まれた孤児を支援するため、1995年3月に設立され、子どもの権利が十分に尊重され、子どもたちが可能性を伸ばし成長し続ける社会を作ることができる世界を目指し、子どもの教育やコミュニティの生活の向上に取り組んでいる。「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という考えに基づき、お金や物だけではなく、方法を教える形で支援を行っているのが特徴である。
キリスト教系の団体なため、毎朝8時から30分間、キニアルワンダ語でお祈りの時間があり、スタッフが当番制で説教を行う。しかし時間通りに始まらないのがルワンダ。当番の人が遅れてきた日は開始が8時を大幅に過ぎる。私はキリスト教徒でもなく、キニアルワンダ語の礼拝も理解できないが、団体が大切にしていることなので毎日参加するようにしている。(ほぼ毎日8時に事務所に座っているのは私だけだ、、!)
8時からの礼拝の後、業務連絡の時間があり、それが終わると仕事に取りかかるのだが、まずは全員と握手またはハグで挨拶をして、よく眠れたかや元気かなどを確認し、自分のデスクに向かい、そこで出会った人とまた話し、その後ようやく仕事が始まる。仕事は規定では17時までだが、早くに終えて帰る人もいる。毎週金曜日は午前中で仕事が終わり、午後はスポーツの時間となっている。スタッフ同士の交流とリフレッシュのために、近くのグラウンドでサッカーをしたりする。(飲み会ではないスタッフ同士の交流は日本でも取り入れていただきたい、、!)
私は火曜日から土曜日までインターンに行っており、平日は事務所でスタッフの事務作業の補助をするかフィールドに同行させていただいていて、主にECD(Early Child Development)に関する業務に関わっている。幼児期に受けた教育や栄養、衛生等が将来に大きく影響を与えるため、ECDはそういったものへのアクセスを提供している。ルワンダでは3歳から6歳までの子どものうち、幼稚園やその他の幼児向けの教育プログラムに通う機会があるのはわずか18%で、子どもと一緒に読書やゲームをしている親は5人に1人しかおらず、幼児期に必要な刺激を受けられていない現状がある。[参照:unicef. Early childhood development | UNICEF Rwanda. 参照日: 2024年6月26日]友情を育むこと、会話を学ぶこと、同年代の子どもたちと共に過ごすことに学校に入学する前から慣れること、精神的身体的に成長することなどのために、ECDは重要だと言われている。
同行させていただいたフィールドの一つにSector office(町役場のような場所)での活動がある。ECDの先生役になるお母さんたちが集まり、4日間のトレーニングの初日に、ECDの意義等の解説が行われた。2日目以降は子どもの発達を促すゲームなどを学んだそうだ。現状は多くの家庭にとってまだまだ幼稚園等に通わせることが難しく、家庭での早期学習に関する知識が不足しているが、コミュニティごとに知識を持った人が増えていき、子どもや家族がECDサービスを受けられるように改善されていく最中なのだと見ることができた。来月実際にECDを行っている現場を見に行けるそうなのでそれがとても楽しみである。
6/12~14の3日間はEXPOと呼ばれるイベントに参加した。このEXPOは、Huyeで活動をしている様々な団体が集まり、活動の成果を紹介するもので、AMUは農業を通じた生活向上プロジェクトに参加している受益者の方々が、彼らの育てた野菜や果物、卵、はちみつ等を販売した。平日ということもあってか来場者数はまばらであったが、出店者同士が他の団体のブースをゆっくり回ることができ、他団体とのつながりを持つよい機会だと感じた。
毎週土曜日の午前中は事務所を地域の子どもたちに無料で解放している。主に小学生と数名の中学生、計100名弱が来ており、reading campと呼ばれる英語の絵本を読み、英単語の意味や使い方を学ぶ時間があり、その後はサッカー、ルワンダの伝統ダンス、ゴスペルの中から好きな活動を選び参加する。私はreading campの後に15分ほど時間をもらい、日本の文化紹介や簡単な日本語を教えている。現地語と英語を織り交ぜながらの日本語のレッスンは子どもたちにとって面白いようで、とても集中し楽しく参加してくれている。「おはよう/元気ですか?-元気です/ありがとう/私の名前は~です/ルワンダから来ました」など教えたものをすぐに覚え、積極的に使ってくれる吸収の速さにも日々驚かされている。この土曜日の活動は、子どもたちに英語に触れる機会を作ること、様々な才能を引き出し伸ばすこと、学校がない日の子どもたちの居場所を作ることで犯罪に加担したり家庭で暴力を受けたりすることを防ぐ目的がある。
フイエマウンテンコーヒー
ルワンダはコーヒー栽培が有名ということで、近所にあるフイエマウンテンのコーヒーツアーに参加した。暑すぎず寒すぎないルワンダの気候がコーヒーの栽培に適しているそう。収穫期が6月上旬までだったようで、コーヒーの実はほとんど見られなかったがどのように栽培されているのか、収穫後どのような工程があるのかを見ることができた。
昔、ヤギの世話をしていた1人の男性が、コーヒーの実を食べたヤギが踊りだし寝ないのを見て、何かの薬だと思い、死を覚悟で自分が食べて試してみたところ、眠たくなくなるというコーヒーの力を見つけたのがコーヒーの始まりだと聞いた。
コーヒーの木が植わっている斜面にある溝は、雨季に土砂崩れを防ぐためのもので、溝に水が溜まりそこから根に水が染み込むようになっている。溝の側にある草も、木の周りにあるわらのようなものも土砂崩れを防ぐ役割を果たしている。
収穫したコーヒー豆は「ウォッシングステーション」と呼ばれる場所に運ばれ、洗浄、選別、乾燥等が行われる。収穫や選別は人によって行われているが、その他の工程は機械が導入されていた。
山でもともとは緑色のコーヒー豆をよく見る濃い茶色になるまで煎って、粉末状にすりつぶして飲んだコーヒーはさらにおいしく感じた。
日本でコーヒーを飲んでいた頃は、コーヒーがどこでどのようにして作られているのか想像できていなかったが、今回のツアーを通して1杯のコーヒーができるまでに日本から遠く離れた場所で汗を流して働いている人がいることを感じた。そしてそれを考えたり、コーヒーの木が並んでいる景色、コーヒー豆を乾燥させている景色を思い出したりすることでもっとコーヒーを楽しめると思った。
©結城花菜