ルワンダからの学生レポート

1月

みなさんこんにちは!ルワンダ生活も3カ月目。元気に楽しく過ごしています。最近ルワンダは気温が低く、朝晩は長袖が必須です。乾季が来ると思われていましたが、なかなか来ず、1日のうちどこかでかなり激しい雨が降り、なかなかからっと晴れません。洗濯物が乾かないことが最近の悩みです。今回は年末年始もあり、内容も多いですがお付き合いください!

ルワンダのお正月

首都のキガリでは町の中心でカウントダウンがあったそうだが、私の住む町フイエでは特別なことは何もなかった。大学の寮の友人たちの多くは帰省をし、家族や同じコミュティの人たちと大勢で賑やかな年末年始を過ごしたそう。
私は、1月1日、PIASS大学教授の佐々木先生宅で開かれたニューイヤーパーティーに参加させていただいた。大学の教授や帰省をしていない学生、大学の側の教会関係の方、総勢50人が集まり、出身国の料理を持ち寄った。とうもろこしの粉から作ったアフリカの主食カウンガや、南スーダンのオクラと牛肉の煮物、インドネシアの中にパイナップルソースの入った甘いちまき、日本の巻きずし・揚げナス・鹿児島スタイルの豚肉・ポテトサラダ・フルーツポンチ等が並んだ。一番おいしかったのは日本の巻きずしだ。食後には国ごとに踊りを披露し、ダンスが好きなアフリカの皆さんと楽しい時間を過ごした。

授業

“Religion in Conflict Resolution” と“Negotiation and Mediation”という授業を受講した。
“Religion in Conflict Resolution” は日本人の佐々木先生のクラスで、宗教が戦争の要因にも平和のもとにもなり得るという前提のもと、キリスト教・イスラム教・仏教の平和と紛争に対する視点を学んだ。ルワンダは、キリスト教の聖書の教えが誤った解釈で教えられ、それが人々をジェノサイドに参加するよう誘導したという背景がある。その一方、ジェノサイド後、人々に赦しに関するプログラムや、キリスト教の教えに基づいた和解のプログラムの提供など、宗教(キリスト教・教会)が被害者と加害者の和解のプロセスに貢献しているのだ。
“Negotiation and Mediation” はナイジェリア出身の教授のクラスで、ナイジェリア人はしゃべりすぎる傾向があるという彼女の説明の通り、授業の導入や例を出す時もかなりたくさん話してくださった。授業は交渉と調停の定義や理論を学び、グループワークの時間が多く設けられた。理論は西洋的なもので、アフリカの国々や他の国ではまた異なるということも最後に強調された。最終日に撮った先生とクラスメイトとの集合写真。平和紛争学科の2年生は私たち日本人を除いて9人しかいない。1年生は20人弱、3年生は30人ほど。

JICA協力隊の方の活動見学

ルワンダ東部カヨンザで活動されているJICA協力隊の方の活動を見学させていただいた。その方はコミュニティ開発という職種で、地域の井戸の維持・管理・修理等に関する活動をされている。貧困層が集まる地域で水道が通っていないため、住民は毎日20ℓのタンクをいくつも持ってきて井戸で水を汲んでいる。特に女性と子どもが水汲みをしている姿が目立った。井戸が壊れると、遠くの井戸まで汲みに行かなければならなかったり、川で水を汲んでいるそう。水汲みが日常にある住民の生活を見て、もし水道が通っていれば重たい水を運ぶ肉体的な負担も、自宅から数十分かけて水を汲みにくる時間もなくすことができ生活が少し楽になると感じたが、費用の面など課題があり、現状の生活をよりよくするためには井戸の維持管理が重要だと考えさせられた。住民との接し方、例えば自分から挨拶に出向き信頼関係を作る大切さなどを実際に見て知り、将来、協力隊として活動することを志していた私にとって、協力隊やコミュニティ開発という職種への理解が深まった。また今後自分自身がどのような経験を積み、協力隊になったら何をしたいのか考えるよいきっかけとなった。快く見学させてくださった協力隊の方々、ありがとうございました。

ウガンダ旅行

時系列が前後してしまうが、12月26日から31日、他の日本人留学生と3人でウガンダに旅行した。私が住むフイエからルワンダの首都のキガリまでバスで3時間、キガリからウガンダの首都カンパラまで夜行バスで11時間、カンパラからウガンダ北部のグルまでバスで6時間、狭くて乗客が満員で綺麗とは言えないバスでの長旅であった。
テラ・ルネッサンスというNGOの、元子ども兵の社会復帰支援施設を見学させていただいた。木工部屋とミシン部屋があり、そこでトレーニングをした後自分自身の店を持つそう。家族やコミュニティに受け入れられず社会復帰が難しいと言われている元子ども兵が精神的にも金銭的にも復帰するサポートを知ることができた。

Terra Renaissance

ウガンダ北部のグルという地域で食べた、アチョリ族のごはんが大変おいしかった。外観からは中で食事ができるとは思えないほどの小さくて質素な小屋で、雨の日は雨漏りのため休業するそう。ピーナッツペーストに葉物野菜を混ぜた、“ボー“と”マラクワン“をさつまいもにつけて食べる。ペーストは少し甘くて、甘いふかしたさつまいもによく合った。日本円にして100円以下で、提供も早く、優しくて温かいアチョリお母さんがいる最高のお店だった。ウガンダは公用語が英語のため、会話をすることができて嬉しかった。

Murchison Falls National Parkという国立公園のサファリに行った。キリンやゾウ、ライオン、アンテロープ、カバ、トゥンバを始め、たくさんの動物が檻に囲まれず生活している姿を見ることができ、興奮がとまらなかった。3時間のナイル川クルージングもツアーに含まれており、ボートからカバやワニ、鳥などが見られた。国立公園内に宿泊し、2日目は滝に向かった。これまで見た滝とは比べものにならないほど流れが速く、大きく、迫力があった。
帰りのカンパラからキガリ間のバスで起こったハプニングについてもお伝えしたい。ウガンダとルワンダの国境で一度バスを降り入国審査を受けた後再びバスに乗るのだが、バスの運転手がルワンダに入国できず、乗客が国境に取り残されたのだ。代わりのバスが来るまで3時間ほど国境で待ったのだが、日本であれば返金対応や謝罪があるはずのところ、ここでは何もなかった。ハプニングも旅行の醍醐味ということで、、!

ライオンと象
北部ムサンゼ1人旅

ルワンダ北部ムサンゼに1人旅に行った。ムサンゼはゴリラトレッキングで有名な観光地だが、ゴリラトレッキングは20万円以上するので断念。代わりにサイクリングをした。目的地は2つの湖がつながっていることから、「ツインレイク」と呼ばれる湖。舗装されていない小さな岩だらけの道を往復4.5時間進んだ。道中いくつもの村を通り、挨拶を交わし、火山を横目に漕ぐ自転車は気分がよかった。湖は穏やかで、とても綺麗だった。湖で獲れた小魚は日本で食べる小魚と似た味でおいしかった。

ギブ湖

ルワンダ西部、キブ湖に面するキブイエに旅行に行った。キニアルワンダ語(現地語)で「キブイエ」は岩を意味し、岩がたくさんあることからキブイエという地名になったそう。湖にある4つの島を巡るボートクルージングに参加した。一つ目の島はナポレオン島と言い、その由来は島の形がナポレオンの帽子に見えるからだそうで、そう言われて見ると確かにナポレオンの帽子に見えた。島に上陸しハイキングをした。島の中に3億羽のコウモリがいて、鳴き声だけでなくその姿も見ることができ少し気味が悪かった。島の山頂からはDRC(コンゴ民主共和国)が見えるはずだったが、残念ながら霞んでいて見えなかった。しかし、360度見渡す限りの湖はとても綺麗で夕方の静けさも加わり、とても幻想的な場所だった。二つ目の島は、猿の島でその名の通り猿がいた。私が住んでいる町には猿がとても多いので、猿を見ても驚いたり写真を撮りたいとは思わなくなってしまっていた!3つ目の島は穏やかでピースフルという意味の平和島。昔は島の中に観光客向けのホテルやバーがあったそうだが、政府の方針によりすべて取り壊されてしまったそう。4つ目の島は囚人の島。昔島に囚人が送られ、脱出することが出来ず島で多くの人が亡くなったそう。

夜ごはんに湖で獲れた淡水魚を食べた。トマトベースの味つけのおかげか臭みはなく、とてもおいしかった。ここでもやはり注文から料理が出てくるまで1時間以上待たされた。全ての料理が完成してからまとめて提供されるので、クイックメニューと思われるポテトフライですら1時間以上待たなければならない。待ち時間の長さに、畑まで野菜を収穫しに行っているではないかといつも思ってしまうが、そうではなさそうだ。待つ練習だと自分に言い聞かせている。

ギブ湖と魚料理
日常
  • ルワンダの人はとてもフレンドリー。町を歩いていると「お金をくれ」と言ってくる人も中にはいるが、挨拶をしてくれる人が多い。私が現地語で挨拶を返すと「言葉を知っているのか!!」と嬉しそうになり新しい言葉を教えてくれたりする。
  • バスに乗って別の町に行く時、必ずと言ってよいほど隣に座った人が話しかけてくれる。どのような仕事をしているのか、生活、家族についてなどをよく聞かせてもらう。ルワンダでは仕事を得ることは大変難しいと多くの人から聞く。たいていは家族や知り合いの紹介などで仕事を得るそう。例えば会社の従業員の知り合いと、自分で応募した人がいた場合、例え入社テスト等で自分で応募した人の方が優秀であったとしても、知り合いの方が選ばれることは稀ではないため、自分で仕事を探す努力よりも、人との繋がりとチャンスを逃さないようにすることが重要だと聞いた。

    ある女性は高い技術と意欲を持って仕事に取り組んでいるが、給料は同じ仕事をしている男性の半分ほどしか受け取っておらず、仕事に関することで提案をしても男性の上司から「女性である君にできるのか?」と言われ自分の知識や技術を十分に活かせていないと言っていた。また、残業をしても残業代は出ず、この会社で働き続けたいのならば、と月に1度以上50代くらいの男性の上司に性的な関係を求められるそうだ。断りたいが、家族のために仕事を失う訳にはいかないため受け入れるしかないそうで、このようなことは多くの会社で起こっていると聞いた。

©結城花菜

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